お気に入り漫画紹介:その3
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さめない街の喫茶店 / はしゃ(イースト・プレス)
本屋で表紙見てジャケ買いした漫画。買ってよかった!
主人公・スズメはある日突然夢から目覚めることが
できなくなってしまう。
現実世界では眠ったままのスズメは、
ルテティアという夢の中の街の喫茶店「キャトル」で
働くこととなる。
まだ単行本は1巻しか発売されていなくて、
謎がかなり多い作品です。
現実世界のスズメがどうなってしまっているのかも、
眠りから覚めなくなった原因が何なのかも
スズメは何も知らない。
悲しい展開にならないといいなあと思っています。
絵がすごく繊細で、毎話お菓子や軽食を作る様子が
描かれるのですが読んでいてお腹が空く。
レシピもついているので、実際に作ることも可能です。
※2018年5月現在、1巻まで発売中(連載中)
累 / 松浦だるま(イブニングKC)
こちらはなかなかにサスペンスな作品。
「美醜」が大きなテーマなだけあって、特に女性にはかなり
ずしりと来る作品だと思う。
主人公・累(かさね)の亡き母は美しき大女優・淵透世。
しかし、累の容姿は母とは似ても似つかずとても醜く、
酷いいじめに遭っていた。
あるとき母の遺品である口紅を塗って他人にキスをすると、
一定時間相手と顔を交換できることに気付く。
ずば抜けた演技力を持ちながら、その容姿故に
舞台に上がることを周りから望まれなかった累は
他人に成り代わることでその夢を果たしていく。
しかし徐々にその叶えられた夢にも綻びが生じていく。
この作品の中には、容姿に恵まれない累とは対照的な存在として
容姿に恵まれていても幸せではない女性が登場します。
その人たちにとっては容姿はそこまで重要なことではない。
でも、皮肉にもそうやって考えることができるのは
その人たちが容姿に恵まれているから。
だから、累がなぜそこまで美醜に執着するのかも
その人たちには理解ができないのである。
この作品の大きなわかりやすいテーマは「美醜」だけれど、
これって容姿に限ったことではないと思う。
ああなりたいこうなりたいっていう人間の欲望は尽きなくて、
もし仮に自分の持っていないものを持っている人間がいたとして
その人が人生バラ色なのか?というとそうとも限らないよっていう
「隣の芝は青い」的な話なのかなと読み進めていくと気付いたりする。
特に若い時って見てくれで決まってしまう部分が多いから、
そういうのに傷付いたことがある人がこの作品を読むと
少し世界を見る目が変わるんじゃないかなと思う。
※2018年5月現在、13巻まで発売中(連載中)